スロウな森の暮らし たまに旅


by nollipolly
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スペイン紀行〜モロッコ編#7〜タンジェからタリファへ

絨毯屋を出た後、ツアーは昼食に向かいました。
200人はラクに入りそうな大きなレストラン、内装もなかなか豪華です。
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※クリックすると拡大できる画像もあります

民俗音楽のバンド演奏が続き、ダンサーたちが登場。客席の中に入ってきて臨場感を楽しませてくれます。
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食事はこんな感じ。名前は分かりませんが、伝統料理のようです。
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まずまずの味です。
絨毯屋での舌戦の後、なんせおなかがすいてましたからね。
ツアーメンバーは同じテーブルを囲んで自己紹介などし合いながら食事を楽しみます。スペインから来たカップル、国籍不明の母娘、明るく屈託のない金髪娘、一人旅のイギリス人男性。皆、気の良い人たちです。

再びバスに乗り込み、いよいよタンジェ(Tanger)に向かいます。
峠を超え、広く果てしない草原を抜け、バスはひた走ります。
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ん? どっかで見たような衣装。
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地元の農家の女性たちです。ほんとはこういう自然な写真を撮りたかったのですが、ツアーでは思うままにいかないのが残念です。

タンジェに到着、導かれまた同じような入り組んだダンジョンに入り込みます。もういいやー、そんな気分です。だんだん喉が渇いてきました。ゴリラーマンがカフェでひと休みする、というのでほっとします。



シェードを探して腰掛け、冷たい飲み物を頼みます。イギリス人の一人旅男が同席、雑談します。
「僕は20年前もここに来たけど、なんにも変わってないよ」
「そうなの?」
「うん。人も、建物もおんなじ」

そんな会話の最中に、一人の子供が駆け寄ってきて、テーブルの上にチューインガムのようなものを一個置きました。あどけないまなざしで私たちの顔を見上げます。
「いらないよ」とすら言う気にもなりません。黙って無視します。

いったい、この国の政治家たちは何をやってるんでしょうか。しつこい物売りたち、押し売り同然の商売、小さな子供を使ってでもお金を稼ごうとする親。彼らをそうさせているのは政治の責任だよ。そんな会話をしました。

ふと見るとダンナはベルト売りにまとわりつかれていました。苦笑いしながら何とか追い払おうとしているダンナ。

「だから相手になるなって言ったのに......」(-_-;)

見かねて「財布は私が預かってるから彼は一銭も持ってないよ」と割って入ります。
「誰だい、あんたは?」キッと私を見下ろす男。
「ワイフ」
「そうそう、ワイフだ。財布は彼女が持ってる」とダンナ。
「あーら、奥さん......OK、わかったよ」
男は首をすくめて引き下がりました。
何とも言えない後味の悪さが残ります。
ダンナも一度は怒鳴ったくらいなのですが、逆切れされる始末。手に負えません。無視、ひたすら無視が一番です。

カフェの近くから見えた広場。尚も新手の物売りが、次から次とやってくるのをかわしながら撮った写真です。
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いい時間になってきました。ダンナと私、この時だけは思うことが一緒です。
「ビール、飲みたいねェ〜....」

ゴリラーマンに尋ねました。
「ビール、どこかに売ってませんか?」
「ビール? ないよ。」

ええっ!!!! Σ(゚д゚;)

くっ.........そうです。そうでした。すっかり忘れてました。
ムスリム圏にアルコールは、無いんだった!!!

ダンナの所に戻って伝えます。
彼の眉間にくっきりと深いしわが寄ります。
「な、なんだとっ」

押し黙ったまま見つめ合う二人。思うことは一つです。

「帰る.......」

日米同盟即座に締結、ツアーから抜け出し、この街•タンジェから出ているスペイン•タリファ(Tarifa)行きのフェリーに何としてでも飛び乗ることにしました。
心配なのはチケットです。
買ったのはアルへシラス〜セウタの往復券なので、タンジェ〜タリファ間にそのまま使えるか、ということ。追い金を払うか、最悪チケットの再購入も考えられます。※マップ参照(拡大可)

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しかしビールの無い国になんか、これ以上一刻たりとも長居したくありません。さんざんぼったくられ、追い回され、不快な思いをなんとか我慢してきて、ビールが、無ァい〜〜???  

これだけは許せません.......

強い憤りと帰国への決意がこみ上げてきます。
何としてでも帰る。船底にしがみついてでも帰る!!!
チケットなんか何とでもなるわい、もう後は行動のみです。

ゴリラーマンに意向を話します。もちろんツアー代は全額払う、フェリーポートで落としてくれればいい、と。
気を悪くするかな、と思いましたが、意外とあっさりOK。しかし目は笑ってません。
「ただチケットがどうかな、アルへ〜セウタのチケットでしょ?」
「うん。それがっちょっと気がかりだけど....」
「僕が付いていって聞いてやるよ」

ほっといてくれよ、もう.......

と思いましたが、とにかくここを一刻も早く脱出するのが最優先。ゴリラーマンは、いい時間になった頃あいを見計らって皆を集め、バスをフェリー港に向かわせました。幸いすぐ近くでした。他のツアー客にあまり迷惑をかけたくありませんでしたからね。

FRSの窓口を探します。
カウンターにはスペイン系のかわいいお姉さん。チケットの件を尋ねます。
「あら、いいわよ! どうぞ、そのまま乗って下さい」
「いいんですか? 料金とか、違わないんですか?」
「大して変わんないから」
これがスペイン気質のいいところ。

「それじゃ、ここでお別れだね」と言って気のせいか仏頂面のゴリラーマンにニッコニコ顔で挨拶。もちろんツアー仲間たちにもお別れとお礼を言って、フェリーの建物に一目散。二人、ほっと胸を撫で下ろします。

構内の検問付近にもまた怪しい男たちがうろうろしています。
一人が側に寄って来て、書類を書くのを手伝ってあげると言います。「いらないよ」といっても強引に「この欄は名前」「ここにはパスポート番号だよ」とおせっかいを焼いてきます。
満面の営業スマイルに片言の日本語。
日本語を知っている、ということは、日本人に好意や興味があるのではなく、日本人が持っている(であろう)お金に好意と興味があるのだ、ということをつくづく身に沁みて分かった今回の旅。
この男、書類を書き終えてその場を去ろうとすると、チップを要求してきました。
しょうがないので1ユーロあげます。
「たったの、これだけ?」
しょうがないのでもう1ユーロ渡します。
「これだけ?」まだ引き下がろうとしない“いらぬお節介”男。
「いくらほしいのさ」
「うーん、最低でも10ユーロは.......」

おいおいっ.......ヾ(・ ・;)

2行か3行、頼んでもいない書類書きの押し売りをして、最低でも10ユーロはよこせ、とは、図々しいにもほどがあります。今まで我慢して来た不満と怒りが、ここへ来て一挙に爆発しました。
(以下顛末省略)
日頃は平気で口汚いダンナも、ことの顛末の後、ぽつりとひと言 “I like your attitude.....”



「やっと開放されたね(^o^;)」
「うん。まずはあれだ」
「うん」
船内に入るなり注文した“あれ”が喉を通り過ぎる至福のひとときを堪能します。船はあっと言う間にタリファの港に到着です。風にたなびくスペイン国旗。よその国の旗なのに、不思議な安堵感をおぼえました。

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左側に見える古い石造りの建物は、昔の要塞だそうです。
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by nollipolly | 2009-09-08 08:13 | Trip